フリーランス必見!捨てて良い書類、捨てていけない書類(後編)
前回ご紹介しました「フリーランス必見!捨てて良い書類、捨てていけない書類(前編)」。後編では下記の書類をチェックしていきましょう!
引き続き教えていただくのは「税理士法人創経 山塚様」です!
その書類どうしていますか?
後編では下記の書類をチェックしていきましょう!
- 株式等の運用報告書
- 取引先の結婚祝儀
- 交通違反の反則金の書類
- (会社で募金した)赤い羽根募金の赤い羽根
- 古い通帳
- クレジットカード明細
- お店でもらえるクレジットカード利用のレシート
- Amazonの納品書
株式等の運用報告書
個人で株式の運用をされている場合は、個人事業とは切り離して、申告の有無を判断します。証券会社で源泉徴収をされて課税関係が終わっている場合もありますが、申告が必要な場合、あるいは申告をした方が有利な場合があります。
法人の場合は、株式の運用による損益も、本業による損益に合算して申告することになります。中には、定期的に入る配当金が自動的に再投資されているものもありますが、預金通帳に動きがないため配当の存在を見落としがちです。運用報告書を見て、処理が必要な配当がないかの確認が必要です。
以上より、保管が必要です。
取引先の結婚祝儀
その取引先や結婚する方との関係性にもよりますが、経費にできる場合があります。その際は、招待状と支払った出金伝票を作成し、合わせて保管しておきましょう。
取引先の香典についても同様に、経費にする場合は、会葬お礼状と出金伝票の保管が必要です。職員の慶弔関係については、作成した一般的な慶弔規程に従って支出をすることで、福利厚生費として経費計上できます。
交通違反の反則金の書類
事業主自身でも職員でも、交通違反をしたことで支払う反則金を経費計上することはできません。職員の交通違反に対しては、経費にできる場合もありますが、それは職員に対する給与として経費になるだけです。そのため、事業上の経費にするために保管する書類とは言えません。
(会社で募金した)赤い羽根募金の赤い羽根
法人の場合は、一般的な寄附金を損金にするためには上限がありますが、赤い羽根共同募金など、一部の指定された寄附金は上限がなく損金になります。これらの寄附金の領収書や証明書の保管は必須です。
個人事業の場合は、事業の経費にすることはできませんが、所得控除という制度が適用になる場合があります。適用できる寄附金であれば、その旨の記載がある領収書や証明書を保管しておきましょう。
古い通帳
現金の出し入れについては現金出納帳を作成するのが一般的ですが、通帳には預金出納帳としての役割があり、重要な帳簿と言えます。
帳簿などの保管期間については、税法・商法・会社法に定めがあります。商法・会社法では、帳簿を閉めてから10年間の保管義務が定められており、税法では、申告期限から7年~9年の保管義務が定められています。
それ以後であっても、事業の内容によっては、その他の法令上の保管義務があるかもしれませんのでご注意ください。また、営業上や経営上の理由で残しておいたほうがいい書類もあるはずですので、不用意に捨てない方が無難です。
クレジットカード明細
お店でもらえるクレジットカード利用のレシート
Amazonの納品書
クレジットカードを使う場面としては、ネットと店舗と、両方あります。カードを利用した場合、後日届く1カ月分をまとめたカード利用明細だけでは、どういった品物を購入したのかを証明できないため、一つ一つの領収書やレシートが必要になります。
例えば、ネットでAmazonの書籍などを購入しますと、納品書兼領収書が同封されてきますが、この保管が必要になります。また、お店でカードを使った際にもらうレシートや領収書も同様に、保管が必要です。
カード利用明細に、それに対応する領収書やレシートをホッチキスで綴じるなど、一緒に保管しておくと後で確認がしやすく、便利です。
まとめ
前編、後編と2回に分けて書類をご紹介いたしました。「これも残しておいたほうが良いんだ!」と思われる書類も中にはあったかと思います。
迷った書類はひとまず残しておき、税理士など詳しい人に相談しましょう。
税務調査では何もしていないのに、それを立証できる書類がないというケースがしばしば見られます。そうならないためにも、日々の書類の管理をきちんと行いましょう。
税理士法人創経 代表社員 山塚 陽平
筆者紹介
経営・税務・リスクマネジメントを中心とした
トータルサポートを実践。起業や承継を
テーマとしたセミナーの講師も行っている。